COLUMN
車検についての疑問をわかりやすく解説

車の所有者は「法定点検」の実施が法律で規定されています。しかし、車検整備の際に実施されることが多いため、車検と法定点検の違いが分からないという方もおられるでしょう。
本コラムでは、法定点検の仕組みや車検との違いについて解説します。技術の進歩によって車は壊れにくくなりましたが、定期的な点検・整備を怠れば安全性を保つことができません。法定点検の基礎知識をつけ、安全性を維持できるよう心がけましょう。

お店に車検を依頼すると、同時進行で法定点検も実施されます。そのため、車検と法定点検を混同される方もおられるでしょう。しかし、この2つは目的や確認内容が異なります。ここでは、法定点検の概要や車検との違いについて解説します。
法定点検の実施は、道路運送車両法により定められています。車は使用過程において部品が摩耗・劣化するため、定期的に点検整備を行い、適切に管理しなくてはなりません。点検整備を怠ると整備不良による故障や事故を招く恐れがあることから、法定点検はトラブルを未然に防ぎ、車の走行性能を良好な状態に保つ目的で実施されています。
国土交通省が公表する「令和6年度路上故障車両の実態調査結果 」によると、一般道路と高速道路のどちらにおいても、タイヤの故障発生件数の割合が高いという結果となりました。過去の統計においてもタイヤの故障割合が高く、法定点検や日常点検を徹底することで路上故障を未然に防ぐことができると考えられています。
(『国土交通省 - 路上故障車両の実態調査結果について』
/https://renrakuda.mlit.go.jp/renrakuda/common/data/r6_jittai.pdf)
自家用車の法定点検は、軽自動車・普通自動車にかかわらず、12ヶ月点検と24ヶ月点検の2種類です。ただし、自家用車でも中小型トラックの場合は6ヶ月点検と12ヶ月点検、大型トラックの場合は3ヶ月点検と12ヶ月点検の実施が義務付けられています。
一般的な自家用車の点検項目数は、12ヶ月点検の場合は29項目、24ヶ月点検は60項目です。12ヶ月点検では、タイヤの空気圧や損傷、エンジンオイル漏れなどが点検対象です。24ヶ月点検では、12ヶ月点検の対象項目に加え、ハンドルの操作具合、排出ガスに関する機能、フレームやボディの損傷など、より細かい点検を行います。
法定点検を受けるタイミングは、いつからいつまでというように厳密に定められているわけではありません。しかし、あまりに早すぎたり遅すぎたりすると、法定点検の本来の目的を果たさなくなってしまうため、適切な時期に受けることが大切です。
法定点検を効率よく実施するためにも、24ヶ月点検は車検時に受けるのが一般的といえます。同時に実施してもらうことで、かかる費用や時間を削減できるためです。
12ヶ月点検は、点検時期の前後1ヶ月を目安とするのが一般的といえるでしょう。ダイヤルステッカーが貼り付けられている場合は、示された点検月を目安に前後1ヶ月の間に点検をするのがおすすめです。
車検も法定点検と同様、法律で定められた義務です。道路運送車両法では「道路運送車両の保安基準」を定めており、車の使用者はこの保安基準に常時適合させなければなりません。車検は、この保安基準に適合しているかを定期的に確認する検査を指します。
自家用乗用自動車であれば、自動車検査証の有効期間が満了する新車登録から3年後、その後は2年毎に更新が必要です。法定24ヶ月点検と車検は同じ頻度で実施しなければならないため、効率よく実施できる車検整備時に法定点検を行うのが一般的といえます。
法定点検と車検では実施する目的が明確に異なり、法定点検では走行性能の維持や故障の防止を目的とするのに対し、車検は車が保安基準に達しているか検査することが目的です。

法定点検は道路運送車両法で定められた使用者の義務ではありますが、点検を受けないことの罰則はありません。しかし、自分や同乗者、周囲を危険にさらさないためにも、リスクを十分に理解した上で保守管理に努めることが大切です。ここでは、法定点検を受けないとどのようなデメリットが生じるのか詳しく解説します。
安全性を保つことを目的とした法定点検を受けないということは、交通事故や故障のリスクが伴います。
法定点検では、ブレーキやステアリング、足回りなどの細部まで点検するため、不具合を早期に発見することが可能です。一方、点検を怠れば不具合に気付くことができず、交通事故や故障に至る危険性が高まります。
定められた法定点検のスケジュールを守ることは、車の安全性を確保するために重要です。
法定点検によって、小さい問題に気付くことができれば早期に対処が可能です。不具合を放置すると関連部品にも負担がかかり、問題を悪化させてしまうことがあります。そのため、早期に修理した場合よりも費用が増加する恐れがあるのです。
法定点検を受けず不具合を放置したまま乗り続けることで、より高額な部品の交換や長期間にわたる修理が必要になるかもしれません。修理費用を最小限に抑えるためにも、定期的な法定点検の実施が不可欠といえます。
新車購入時に付帯するメーカー保証には「特別保証」と「一般保証」の2種類がありますが、適用条件として「法定点検の実施」を設けているお店も少なくありません。法定点検を怠ると、メーカー保証の対象外となる可能性があるため注意が必要です。
定期点検にも費用がかかりますが、故障によっては点検費用よりも修理費用が高くなる場合があります。いざというときにメーカー保証が適用されるよう、法定点検をきちんと受けておくことが大切です。
法定点検の結果は、点検整備記録簿に記録されます。点検整備記録簿とは、12ヶ月や24ヶ月などの法定点検を実施した際に点検や整備の内容を記録し、消耗品の交換時期や点検を行ったお店などを確認できる書類です。
点検整備記録簿上で定期的な点検を行っていたことを証明できれば、車の状態が確認しやすくなり、結果的に査定が有利になるでしょう。一方、法定点検を行っていなかったり、整備点検記録簿を紛失したりした場合は、査定額が下がってしまう可能性があります。

法定点検を依頼できるお店には、ディーラー、整備工場、カー用品店、ガソリンスタンド、車検専門店などがあります。法定点検の実施には専門知識や技術が必要なため、プロに依頼すると安心です。ここでは、法定点検を受けられるお店について解説します。
ディーラーとは、特定の自動車メーカーに絞り車を販売するお店です。ディーラーは自動車メーカーの整備講習を受講しているため、優れた知識と整備技術を有しています。また、部品交換時は純正品を多く使用することも特徴のひとつです。
そのため、整備の質やメーカー保証を重視する方は、ディーラーを選択する傾向にあります。特に車を購入したお店で法定点検を受けると、車の特徴や過去の整備内容に応じたサポートが期待できます。
民間の整備工場とは、車の整備や修理を専門に行うお店です。指定工場と認証工場の2種類があり、整備工場の中には法定点検を受け付けているお店もあります。
ただし、修理や部品交換が発生した場合、整備工場の規模や技術力で対応可能な車種が限られるため、依頼する際は対応可能な車種について確認を行ってください。
カー用品店とは、タイヤやエンジンオイルなど、車の部品を販売するお店です。カー用品店の中には、部品販売だけではなく、自社内に指定工場や認証工場を保有するお店もあります。
全国チェーンのお店であれば、点検費用の概算を公式サイトで事前に確認できるケースがあり、見積もりを依頼する前におおよその予算感が把握できるため、安心して依頼できる点がメリットです。また、市販品の中からご自身の希望に合った部品が選べる他、カー用品店の中には独自の会員特典を提供するお店もあり、さまざまな特典が受けられます。
ガソリンスタンドの中には、国の認可を受けた整備工場を併設しているお店があり、このような場所であれば法定点検を依頼することが可能です。
ガソリンスタンドは、給油や洗車と合わせて法定点検を依頼できる手軽さが強みです。また、法定点検を申し込むと、ガソリン代を値引きしてくれるお店もあります。

法定点検の実施は車の使用者に義務付けられていますが、車検整備と合わせてプロに依頼するのが一般的です。しかし、自分で法定点検を行うことも不可能ではありません。ここでは、法定点検を自分で行えるのかどうかを解説します。
車の使用者に義務付けられている法定点検は、ご自身で行うことも可能です。ただし、専門知識が必要となる上にさまざまな道具を準備する必要があります。例えば、タイヤやホイールの点検、エンジンルームの点検などは目視点検が可能です。しかし、下回りは車をリフトアップした上で車体下部から点検しなければなりません。
法定点検は、少し大がかりな点検整備です。専門的な知識・技術を持たずに行うことは故障やケガにもつながります。少しでも不安がある方は、無理にご自身で行わず国の認証を受けた整備工場に依頼するのがおすすめです。
点検整備記録簿は、点検の結果と整備の概要を記録・保存するための書類であり、車の維持管理を目的としたものです。点検整備記録簿によって過去の点検整備の記録を確認できるため、消耗品の交換時期を判断する際にも役立ちます。
車への備え付けと一定期間の保管が道路運送車両法で求められています。可能な限り点検整備記録簿を長期間保管し、車の生涯記録簿としてぜひ活用してください。

イエローハットでは、国家整備資格を持った自動車検査員が運輸支局に代わって車検を実施できる「指定工場」を全国に185店舗ほど展開しています。自社工場内で車検に必要な整備から車検までの一連の作業を行えるため、土日祝でも問題ありません。法定点検を含む車検のことなら、ぜひイエローハットにお任せください。
イエローハットで車検を実施する際は、法定点検や日常点検に加え、独自の点検項目を設けております。60項目の法定点検、15項目の日常点検、そして約30項目の独自点検を合わせると100項目以上です。
車検時には法定費用だけでもまとまった費用がかかるため、車検時には最低限の整備に留めたいという方もおられるでしょう。イエローハットでは、お客様との徹底対話システムを導入しており、お客様にご納得いただけない整備を実施することはございません。
車検を進めていく上で、追加で必要な整備が見つかった場合には、お客様に連絡・説明を行い、ご納得いただいた上で整備を実施いたしますのでご安心ください。
車検に関するご相談やご予約は、インターネットのWEBフォームをご利用いただくとスムーズです。電話または店頭での見積もりも全て無料で承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
イエローハットの車検では、費用を抑えることも可能です。タイヤやエンジンオイルなどの交換が必要な消耗品をお客様の好みやコストに合わせて選択いただけるため、費用を総合的に抑えられます。
イエローハットで車検を実施すると、整備箇所に対し6ヶ月または1万kmの整備保証が付帯します。万が一、保証期間内に整備箇所が故障した場合にも安心です。また、車検から6ヶ月または1万km毎に無料点検を実施し、次回の車検までサポートします。
また、有償の長期保証プラン「プライムワランティイエローハット車検保証」をご用意いたしました。この保証に加入いただくと、車検後24ヶ月故障箇所に対する無償修理が付帯するため、安心をプラスすることが可能です。
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法定点検は、車の故障リスクを抑え、走行機能を安定させるために重要な点検です。自家用車の場合、12ヶ月点検と24ヶ月点検が法律で義務付けられています。法定点検はご自身で行うことも可能ですが、専門的な知識や技術が必要です。不安がある方は、お店などに依頼することをおすすめします。
イエローハットでは法定点検を含む100項目以上の点検を行い、お客様へのご説明を踏まえた上で整備を実施するため、ご納得いただけない整備を実施することはございません。法定点検を含む車検のことなら、ぜひイエローハットにご相談ください。